カラオケ店で歌を録音する方法(2)

MTRの基本

MTRとはMultiTrackRecorderの略。
多チャンネルの録音・再生ができ、それぞれのトラックが独立して記録される。

今回のカラオケ録音の場合、

  1. マイク
  2. 伴奏・右
  3. 伴奏・左

の3トラック必要になる。

MTR購入の前に

さて、楽器屋へ行き、MTRのコーナーを見ると手頃な価格で、フェーダー(上下にスライドして動くボリュームつまみ)が8つ並んだものが並んでいる。
ふーん、小さくて持ち運びに便利だし、最大8トラック使えて、44.1kHzで記録できるし、SDカードも使えるんだ。
じゃあこれ買えばいいんだ、といきなりそれを買ってしまうのは早計というもの。

MTR選びには初心者が陥りやすい落とし穴がいくつかある。

たとえば、8つ並んだフェーダー。これを見て「8トラック同時録音できるんだ」と考えてはダメ。
基本的に入門価格帯のMTRは同時録音は2トラックまで。
じゃあなぜ8つもフェーダーが並んでいるかというと、これはトラックを取り重ねて行ったときに初めて使うものなのだ。

次に「44.1kHzで記録」の部分。カタログ表記にも44.1kHzのCD並みの高音質、などと書かれているMTRは多い。
しかしここにも落とし穴が。
記録媒体にSDカードやCFカードなどを利用したMTR不可逆圧縮フォーマットを使用している。
ハードディスクMTRは基本的に非圧縮フォーマットを使用している。
メモリカードMTRとハードディスクMTR。どちらも同じ「44.1kHz」と表記されていても、そういう違いがあることに注意。

最大2トラック?

最大2トラックまで同時録音のMTRの場合

  1. まずカラオケ機器とMTRを接続
  2. 伴奏を録音する(右、左の2トラック)
  3. カラオケ機器との接続を外す
  4. マイクを接続します
  5. 録音した2つのトラックを再生しながら歌って録音

こんな手順。

これが3トラック以上同時録音できるMTRの場合

  1. まずカラオケ機器とマイクをMTRを接続する
  2. 歌って録音

と、こんな手順。
明らかにこちらの方が楽。

3トラック以上同時録音できるMTR

WindowsXP/Vistaなどに普通に接続できて、3トラック以上同時録音できる初心者向けの価格帯のMTRというと、そんなに数は無い。
実は自分が購入するときに見つけたのは以下の3機種のみ。
ほかは時代遅れ過ぎてPCとの接続方法に問題があったり、HDDの容量が心もとなかったりしたので省いた。

  • ZOOM HD-16
    • 最大同時録音トラック:8
    • 482(W)×328(D)× 84(H)mm / 5.3kg
    • 定価 \77,490 / 楽天 \53,500
  • KORG D888
    • 最大同時録音トラック:8
    • 375 (W) ×331 (D) ×110 (H) mm / 4.4kg
    • 定価 \69,825 / 楽天 \49,800
  • Fostex MR-8HD
    • 最大同時録音トラック:4
    • 312(W)×264(D)× 88(H)mm / 3.0kg
    • 定価 オープン価格 / 楽天 \38,640

あとは好みで選べは良いかと。
自分の場合は、

  1. 持ち運びできるサイズと重さ
  2. 4トラック同時記録
  3. 低価格
  4. 非圧縮記録

の順に優先順位をつけて、最終的にMR-8HDを選んだ。
たまたま中古の出物があったので、ここに書いた価格よりかなり安く買えたので満足してる。

でもここに挙げた中で、MR-8HDだけは本当に「録るだけ」の機械。
バーチャルトラックは無いし、エフェクタとかも無いに等しく、D888みたいな強力なミキサ機能も無い。
それでも、このサイズは魅力的なので、「あとはPCでやる」という人にはお勧め。

2トラックまで同時録音できるMTR

一般的な入門MTRはこちら。
逆に音質とか機能はとことん割り切って、コンパクトに手軽に録音できるものを選ぶと良いかも。

  • ZOOM PS04
  • ZOOM MRS-8
    • メディア:SDカー
    • 300(W)×165(D)×60(H)mm/ 1.1kg
    • 定価:\34,965
  • KORG D4